今年も、早いもので1ヶ月が経ちましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

《尿路結石》について

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 どんな疾患?

尿の通り道である腎杯・腎盂・膀胱・尿道をまとめて尿路といい、この尿路に出来た結石が、尿路結石です。

腎盂・腎杯で形成された結石が尿管に下降し、尿の通過障害を来した場合、疝痛発作といわれる七転八倒するほどの激しい痛みや血尿が起こりますが、これが尿路結石の典型的症状です。

激しい腰背部痛・側腹部痛・下腹部痛のほかに、吐き気や嘔吐を伴う事もあります。しかし、結石が腎盂や腎杯にある場合には軽い鈍痛程度です。

尿路結石は30~60代の男性に多く、上部尿路(腎杯・腎盂・尿管)に出来るものと、下部尿路(膀胱・尿道)に出来るものに分けられます。

そして、約90%以上はカルシウムを含むカルシウム結石で、X線検査で白い影として写ります。

代表的な結石は、シュウ酸カルシウムで、リン酸カルシウム、またはその複合結石が大多数を占め、その他尿酸結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石、シスチン結石等があります。

尿路結石は近年増加傾向にあり、日本人が生涯のうちに結石に罹患する確率は約10%、つまり10人に1人は結石にかかると報告されています。

症状がある場合の約70%は自然排石し、30%は手術を必要とします。結石は8mm以下、特に5mm以下は自然排石の可能性があり、全体では尿路結石の約60%は自然排石すると言われています。

原因は何か?

尿路結石の成因は多岐にわたります。

① 尿路の通過障害

尿路に何らかの通過障害がある場合には結石が出来易くなります。例えば、

   1) 先天性に腎盂と尿管の移行部が狭い腎盂尿管移行部狭窄

   2) 腎盂・尿管癌

   3) 尿管結石により、その部位の尿管に狭窄が生じた場合

   4) 長期臥床による尿流停滞

   5) その他馬蹄鉄腎、海綿腎、尿管瘤、前立腺肥大症

等が挙げられます。

 

② 尿路感染

尿路感染は、結石を形成させる要因の一つです。尿素分解菌によって尿素が分解されると   アンモニアが生成され、尿がアルカリ化されてリン酸マグネシウムアンモニウム結石等の

感染結石が形成されます。

通常、結石形成抑制の為に尿をアルカリ化しますがアルカリ化しすぎても結石は形成され   てしまいます。

 

③ 水分摂取

日常生活に関連して、特に重要なものは水分摂取と食事です。

水を多く飲む事が、結石形成の予防になる事はよく知られている。

尿量を多くする事で、尿中に色々な物質が析出しないで溶け易い状態になります。

また、尿流が多くなる事で、結石になる前の結晶の段階で流れるようにもなります。

水分摂取をする場合は、カルシウム、ナトリウム、シュウ酸が少なくマグネシウムが多い   水質が好まれます。

糖質を含む清涼飲料水、甘味飲料水、コーヒー、紅茶、アルコールの過剰摂取は避けた   ほうがよく、一般家庭の水道水や麦茶、ほうじ茶が良いと言われています。

 

 ④ 食事

食事に関しては、偏食・過食にならないようにして、バランスの取れた食事をする事が    大切です。 

動物性蛋白と脂肪の摂取は、結石形成を促進する要因になります。

これらは、尿中カルシウムを増加させ、クエン酸を低下させます。

 結石の成分の中で、シュウ酸は最も重要な物質の一つです。シュウ酸を多く含む食品は、ほうれん草、チョコレート、ナッツ類、筍、紅茶等で、これらを過度に摂取すると高シュウ酸尿症となります。これにカルシウムが結合して、シュウ酸カルシウム結石が形成されます。

大部分はこのような外因性(外界からもたらされる)高シュウ酸尿症ですが、この他に内因性(体内で作られる)高シュウ酸尿症があり、その原因としてはビタミンCの大量摂取が言われています。

カルシウムは適度(600~800mg/日)に摂取する事が望ましいとされています。

カルシウムを同時に摂取すると腸管内でカルシウムとシュウ酸が結合し、大きな物質になる為この結合体の腸管からの吸収が抑えられ、便中に排出されます。その為、カルシウム摂取

が過少になると結石形成が促進されます。しかし、過度に摂取しても結石形成の促進に繋がります。

カルシウムは市販されている薬(サプリメント)ではなく、カルシウムを含んだ食品を適度に摂取する事が肝要です。

高尿酸血症は痛風、痛風腎(尿酸が腎臓に沈着して機能低下するもの)の原因になるだけでなく、尿酸結石の原因になります。この為、プリン体を多く含む食事は、結石予防の観点からも望ましくありません。アルコール、特にビールの過度の摂取は尿酸値を上昇させるだけでなく、結石形成を促進します。

 

⑤ その他の病気と薬剤

血中カルシウム値が高値を示す病気として、原発性副甲状腺機能亢進症があります。

これは副甲状腺腺腫からの副甲状腺ホルモンの分泌が盛んになり、血中カルシウム値が高値を示す病気です。

再発性で多数の結石が出来る場合は、血清カルシウム、リンの他に副甲状腺ホルモンを測定する事が必要です。

ステロイドホルモンは骨吸収を増加させ、骨形成を抑制する事により血中にカルシウムとリンを遊出し、結果的にカルシウムとリンは尿中に過剰に排泄され、結石が形成されます。

ステロイドホルモンは骨以外にも、腎臓、腸管、副甲状腺にも作用されます。

クッシング症候群は、副腎腺腫からステロイドホルモンであるコルチゾールを過剰分泌する病気で、ステロイド薬の長期投与の患者様と同様な病態を示します。

治療としては腺腫の摘出を行いますが、結石を合併する率は5~50%といわれ、結石治療も必要となります。

その他、緑内障の治療薬である炭酸脱水酵素阻害薬(アセタゾラミド)は尿を強アルカリにし、尿中のカルシウム・リンが増加して結石が出来易くなります。

このような患者様では、多量の水分摂取により眼圧上昇が懸念される為、治療に難渋する事があります。

症状・検査・診断・治療

全般的には、突然の腰背部・側腹部・下腹部の激痛、さらに鼠径部・外陰部への放散痛、血尿、吐き気、嘔吐(腹腔神経節が腎臓と胃の両方を支配している為併発する)が現れた場合には、尿路

結石を念頭において精密検査をする必要があります。

区別すべき重要な病気として、急性腹症と言われる消化器疾患群があります。

これらは、急性虫垂炎・急性憩室炎・急性膵炎・急性胆嚢炎等による急性腹膜炎、胃十二指腸潰瘍穿孔、子宮外妊娠等です。

急性腹症は致命的になる事があり、また緊急手術を要する事もある為、外科・消化器内科・婦人科等の連携が必要です。

このような病気の腹部所見として筋性防御(腹部を押すと硬く触れる)が著明ですが、尿路結石の場合にはそれほどでもなく、むしろ腎部(肋骨脊柱角)の叩打痛(叩いた時の痛み)が著明です。

 

 病気に気付いたらどうする

前述のような典型的な症状が生じた場合には、泌尿器科への受診をお薦めします。

まず、妊娠の有無、アレルギーの有無等を確認して、疼痛管理を行います。

それと同時に身体的所見、尿検査、血液検査、腹部超音波、腎尿管膀胱部単純X線検査(KUB)を行います。

CT検査(単純CTで良い)を施行する事もあります。

 

 

「庄内つうしん」担当Tでした✌

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