今年も、もう3月です。風邪等体調を崩してはいませんか?

《麻疹(ましん)はしか》について

 

 概要

麻疹(ましん)とは、麻疹ウィルスにより引き起こされる感染症であり、一般に「はしか」という名前で知られています。

麻疹は、大人でも子供でも、免疫を持っていなければ罹患する事があります。

麻疹に掛かった場合、子供と大人では様々な条件が異なる為、違った経緯を辿る事(※)もあります。

※一般に、18歳以上の大人が掛かる成人麻疹の方が重症化しやすいといわれています。

 

麻疹を発症した後、早い段階で現れる症状には、発熱や咳等があります。子供の場合には、だるさから不機嫌な様子を見せる事もあります。発症から数日経つと、皮膚に赤い発疹が現れます。

 

原因となる麻疹ウィルスの感染力は極めて強く、接触、唾液等の飛沫、空気等を介してヒトからヒトへと感染します。

 

麻疹を発症しても多くは数日で熱が下がり、完全に回復します。しかし、肺炎や脳炎等の命に関わる合併症を起こす事もある為、現在においても注意が必要な感染症として知られています。

但し、麻疹は予防接種により予防する事が可能な感染症です。通常、1回のワクチン接種により93~95%以上の人が免疫を獲得するとされています。より多くの人の麻疹予防を目的の一つ

として、日本では2回の麻疹風疹混合ワクチン接種(MRワクチン)を定期接種化しています。

麻疹は手洗いやマスクでは予防出来ない為、ワクチン接種による予防が極めて重要と言われています。

最近問題になっているのは、海外渡航者からの麻疹感染です。

50歳以上の世代は、子供の時に麻疹に掛かり、抗体が出来ている事が多く、また、若い世代で2度の予防接種の定期接種化以後は抗体を持っている人が多いと思われます。しかし、この政策や、この政策に漏れた方に対して行われた補足的接種の政策でも漏れてしまった方が存在していると考えられます。

現在の日本では、麻疹発症者がなく、ウィルス暴露による自然免疫が困難な状況です。

従って、ワクチンに漏れた方、接種したワクチンで抗体産生がなかった人、もしくは、免疫抑制剤投与中又は同様な体質の方は、麻疹罹患に関してハイリスク群といえます。

海外で麻疹感染した人もしくは渡航者から麻疹感染した人の多くはこのような人と考えられています。

 

原因

[ 麻疹ウィルスの特徴 ]

子供の麻疹の原因は、大人の麻疹の原因と同じように、麻疹ウィルスに感染する事です。

麻疹ウィルスは、インフルエンザウィルス等のウィルスに比べ、感染力が非常に強い事で知られています。

また、他のウィルスは感染しても発病に至らない事もありますが、免疫を持たない人が麻疹ウィルスに感染した場合、ほぼ100%の確率で発症すると言われています。

[ 感染経路 ]

麻疹ウィルスは、以下の経路でヒトからヒトへと感染します。

・接触感染

感染している人の皮膚や粘膜に直接触れたり、ドアノブや手摺り等、ウィルスが付着している物に触ったりする事で感染します。

 

・飛沫感染

感染している人が咳やくしゃみをした際に飛んだ唾やしぶきを吸い込む事によって感染します。

 

・空気感染

空気中に浮遊している小さな飛沫核を吸い込む事によって感染します。

 

 

症状

麻疹ウィルスに感染した後、10日~12日程の潜伏期間を経て、麻疹の症状が現れます。

典型的な例では、麻疹を発症してから回復するまでに次のような経過を辿ります。

※典型例の経過や症状は大人の麻疹と同様ですが、消化器症状等、子供の麻疹に見られやすい 症状等もあります。

 [ カタル期 (前駆期) ]

麻疹の発症後、2~4日間をカタル期と呼びます。

カタル期には、38度前後の発熱・咳・鼻水・倦怠感(だるそうで不機嫌な様子)等、風邪の様な症状が現れます。また、白目部分の充血、目やに、眩しさ等、結膜炎症状も生じます。

乳児や幼児の場合は、下痢や腹痛を起こす事があります。

カタル期に口の中を見ると、粘膜全体が赤くなっていたり、頬の粘膜に小さな白い斑点(コプリック斑)ができていたりする事があります。白い斑点は麻疹に特徴的な症状であり、早期発見に役立ちます。コプリック斑は、カタル期を過ぎると数日で消失します。

 [ 発疹期 ]

カタル期の発熱が一時的に1度程下がり、およそ半日程度のうちに再び上昇して39.5度以上程になります。(二峰性発熱)

また、この時期には麻疹に特徴的な、赤く小さい発疹が現われます。発疹は、まず耳の後ろや首、額等に現われ、続いて胴体や腕に生じ、やがて手足の末端まで広がります。

発疹が出現してから全身に広がるまでの3~4日間程は、高熱状態が続きます。出現時に鮮やかな赤色をしていた発疹は、徐々に暗い赤色になり、時間経過と共に退色していきます。

カタル期に生じていた鼻水や咳、結膜炎症状は、この時期にさらに強くなる傾向があります。

 [ 回復期 ]

熱が下がり、全身状態も回復して、活力を戻していきます。

発疹は黒みがかった色素沈着となり、解熱後も暫く残ります。

合併症が無い場合、麻疹の発症から1週間程で主な症状は改善します。但し、体力や免疫力の回復にはさらなる期間を要する為、他の感染症等にかからない様注意が必要です。

・修飾麻疹

近年、典型的な麻疹と異なる「修飾麻疹」が増加しています。

修飾麻疹の症状は典型的な麻疹よりも軽く、微熱や短い期間の発熱等で終わる傾向があります。

しかし、麻疹特有の症状が少ない事から医療機関でも正確な診断が難しく、麻疹と気付かず他の人にうつしてしまうリスクがあります。

その為、専門家の間では修飾麻疹の診断が課題となっています。

 

■合併症

麻疹の代表的な合併症には、肺炎と脳炎があります。

肺炎と脳炎は命に関わる事もある為、特に注意が必要です。

[ 肺炎 ] 

肺炎を合併した場合、麻疹による咳や痰が重くなり、呼吸状態が悪化します。麻疹に合併する肺炎には、ウィルス性・細菌性・*巨細胞性のものがあり、発疹期を過ぎても熱が下がらない場合は、細菌性肺炎が疑われます。

※巨細胞性肺炎は、大人の一部や免疫不全状態の場合に見られます。

麻疹を発症した乳児の死亡原因のうち、多くは肺炎に起因していると考えられている為、症状や結果から肺炎の可能性が考えられる時は、適切な治療・管理が求められます。

[ 脳炎 ] 

麻疹による発疹が現われた後、2~6日頃に脳炎が生じる事があります。

脳炎を合併した場合、半数以上は完全に回復するものの、約25%には麻痺や精神発達遅滞、痙攣等の後遺症が残ると言われています。

肺炎を合併する頻度は1000人に1人と稀ですが、思春期以降の麻疹による死亡原因としては、肺炎よりも多いと言われています。

[ その他 ]

この他の合併症には、中耳炎やクループ症候群、心筋炎等があります。

特に乳幼児では、クループ症候群の原因となる咽頭炎や咽頭気管支炎といった合併症が多く見られると言われています。

また、麻疹に罹患してから7~10年後に発症する亜急性硬化性全脳炎も、麻疹の合併症の一つとして知られていますが、頻度は10万人に1人程と、極めて稀です。

 

■検査・診断

基本的に大人の麻疹でも子供の麻疹でも、確定診断の為に行う検査に大きな差はありません。

麻疹に気付く為の重要な手掛かりは、患者様に現われている症状と周囲の流行状況です。

麻疹の診断の為に行われる検査は、以下2種類に大別されます。

・感染している場合に体内で作られる抗体の確認(IgM抗体、IgG抗体検査)

・採取した血液、咽頭ぬぐい液、尿を用いたウィルスの確認(ウィルス分離やPCR法による  ウィルス遺伝子検出)

近年では、診断が難しい修飾麻疹も増えている事から、感染を広げない為に2種類の検査を併用する事が重視されています。

 

■治療

 

[ 症状を緩和する治療 ] 

麻疹そのものを治す特効薬はありません。

その為、麻疹を発症した場合は、発熱や脱水等、現われている症状を改善する為の治療が行われます。

安静を保ち、医師の指示に従いながら、小まめに水分補給を行う事が大切です。

下痢症状等が見られる子供の場合は、脱水予防・治療が特に重要です。

 [ 合併症に対する治療 ] 

中耳炎や細菌性肺炎等、細菌が原因となる合併症が引き起こされている場合には、抗生物質の投与が行われます。

肺炎により呼吸状態が悪化している場合には、人工呼吸器を用いる事もあります。

また、脳炎を合併した場合には、人工呼吸器やステロイド等を用いながら、慎重に全身管理が行われます。

 

・出席停止期間

麻疹による熱が下がっても、その後2日間は周囲の人に感染する可能性があります。

その為、日本では学校保健安全法により、解熱3日が経過するまで出席停止とされている。

 

 

「庄内つうしん」担当Tでした✌

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