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雑誌記事

「医師が薦める本物の健康住宅」の記事

理事長2.jpgからだとこころが楽になるクリニックを目指して

医療法人髙橋クリニック 髙橋努理事長

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スタッフの全ての行動に理念が感じられるように
 当クリニックは1977年より診療を開始。豊中市で初めての透析クリニックとして、また、透析医療を中心に泌尿器科、内科の一般外来も行い、 地域社会のホームドクターとして貢献してきました。
 人工透析に至る慢性腎臓病になる原因には、糖尿病、高血圧、慢性腎炎などがありますが、腎臓の機能が低下し、血液をろ過する機能が悪化すると、その働きを代替するための治療が必要になります。治療の目的は飲食によって体内に蓄積した余分な水分や老廃物を取り除き、血液を浄化することにあり、1回の治療には約4時間を要します。
 さらに、腎臓の働きを補うために必要な透析の回数は週3回。透析後は血圧の低下、疲労感、倦怠感も伴います。冷静に考えれば、生活パターンを透析中心に変えざるを得ず、毎日の食事や水分の摂取にも制限があります。患者さんにかかるストレスを少しでも軽減し、前向きに治療を受けていただきたいと、これまでさまざまな工夫を凝らしてきました。送迎や早朝・夜間透析、患者さん同士の交流の場である患者会の活動もその ―つです。
 2007年に創業者で院長だった父に代わって私が理事長になってからは、「患者さんにとって居心地のいい空間」をメインに考えるようになりました。“その場”や“そこにいる人たち”が自然につくり出しているムードの良し悪しが、周囲に影響を与えるのをみなさんもご存知でしょう。
 父は至る所に絵を飾り、患者さんにリラックスしてもらおうと努力していました。そうした視覚的効果はもちろんですが、私は“人”にもスポットを当て、あいさつや心配りが自然にできるスタッフで、ぬくもりを感じる“場”をつくりたいと思ったのです。
 そこで、父の代にはなかった理念=『からだとこころが楽になるクリニック』をつくりました。イメージは、患者さんもスタッフも来るのが楽しくなり、来ると自然に元気が出るクリニックです。理念を実現するための行動指針は3つあります。
一、相互の理解と信頼を基調とする、明るいクリニックを形成します
二、温もりの伝わる、より質の高い医療サービスを提供します
三、職員の能力開発を積極的に推進します
 まず、スタッフがお互いの個性を尊重し、気遣い・気配りのできる職場風土を目指します。「あいさつ」を基本とし、人の和を大切にしながら、患者様満足を追求。さらに医療人として、一人の人間としての成長をサポートすることにより、働きがいのあるクリニックにする のが理想です。
見えない室内環境にもこだわった「人に優しい建物」が完成    
 実は、私は医師としての経験がほとんどありません。若かったせいもあるかもしれませんが、患者さんとの距離に悩んだ末、勤めていた病院を辞めて郵便局員になった、少し変わった経歴を持っています。ただ、社会人を経験したことで、人に頭を下げることも知りましたし、どうしたら相手に納得と安心感を持ってもらえるか学ぶことができました。そんな外部視点を生かして、患者さん、スタッフ、双方の満足度を高める病院経営ができたらと思っています。
 2019年には、当院の理念を体感できる「からだとこころに優しい」新しい建物が完成。1階フロアは広々としたロビー空間と診察室があり、大きな窓からの採光が明るい印象を与えます。2階には明るく開放的な空間に透析ベッドが34台並んでいます。一人でリラックスしながら透析を受けたい患者さんのための個室(有料)や感染症用の隔離室も設け、安心して透析を受けていただける環境をつくりました。
 以前の建物は透析ベッドが2フロアに分かれていたため、スタッフの動線が悪かったのですが、働きやすさも改善できました。
 また、この建物には電気の質を改善する、つまり体に悪い電磁波を良い電磁波に変える分電盤を取り入れたり、待合室の壁を漆喰にしたりと、調和の取れた空間を意識しました。このほか、心身をリラックスさせる働きを持つスピーカーシステムや、ゼロ磁場のパワースポットで湧く自然水のようなおいしさを味わえる浄活水器を置いています。こうしたいくつものファクターの積み重ねによって、「快適で居心地のいい空間」にしています。
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透析医療で起こるストレスを軽減し、QOLの向上に貢献したい
 透析患者さんへのケアについては、これまで「フットケア」に力を入れてきました。透析を受ける方の足の状態の良し悪しは人命にかかわることもあります。そのために、定期的に爪の状態や足の傷のチェック、血流の管理などを行い、さらなる病気を未然に防ぐ工夫をしているのです。
 これに加えて、今後は「腎臓リハビリテーション」をより進化させたいと考えています。「腎臓リハビリテーション」とは、透析医療などで起こる身体的・精神的ストレスを軽くするプログラムのことで、健康の増進や長生きにつながる効果があると、近年、注目されています。プログラムの柱は5つ。運動療法、食事療法、薬物療法、教育、精神・心理的サポートです。
 具体的に何をどのようにするかはまだ決めていませんが、目の前の一人一人の患者さんの人生がより豊かになることが目的なので、極端に言えば、方法 (手段)は何でもありと思っています(笑)。現状の私の立場では、医師、看護師、臨床工学技士等のスタッフが気持ちよく働ける、つまりES(スタッフの満足)がPS(患者さんの満足)につながるように環境を整備することが第一の役割だと思っています。また、長く臨床の現場から遠ざかっている自分に何ができるか分かりませんが、もともと人の心に一番興味がありましたので、もし求められれば将来的に患者さんの心と共にありたいと思います。心地良い音楽が流れる環境で、香り高いコーヒーでも飲みながら、堅苦しくない、セッションのようなことができれば良いかなぁと妄想しています (笑)。

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患者さんにとって良い環境に結びつく可能性があるのなら、あらゆる手立てを試してみたい
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