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血液検査の意味

投稿日: 2017年10月19日(木)

当院でよく行われている血液検査の意味について解説します。

基準値は配布している検査結果の用紙を参考にしてください。
基準値とは健常人の95%が含まれる範囲の値であり、外れてもすぐにその疾患を示すものではありません。

検査項目 名称 基準値 単位 検査の意味
PTH-INTACT 副甲状腺ホルモン 10~65 pg/ml 透析患者さんでは「高リン血症」のため、リンが副甲状腺を刺激してPTHが過剰になっています。透析患者さんでは60~240になるようにしています。
GA グリコアルブミン     糖尿病の診断と経過観察に使用します。過去1~2週間の平均血糖値を反映します。
nANP ヒト心房性利尿ペプタイド 43以下 pg/dl 透析後、採血でhANP100以上であればDW下げ、hANPが25以下DW上げるというもの。つまり、透析前はhANPは高い数値となっています。また、体重の増えによって心臓にかかる負担を評価しているものです。最近では25~60pg/dlが適正範囲と考えられるという報告があります。
BNP 脳性ナトリウム利尿ペプチド 150以下 pg/ml DW(ドライウエイト)の設定が適正かどうかの判断材料ともなります。BNPが高値の場合は左室の拡張を意味することが多いため、なるべく除水を多くしてDWを下げるようにします。
UIBC 不飽和鉄結合能   μg/dl 鉄欠乏性貧血を診断するのに使用します。フェリチンが100ng/ml以下で鉄補充が必要です。
TIBC 総鉄結合能   μg/dl
フェリチン     ng/ml
PSA 前立腺特異抗原 4.0以下 ng/ml 前立腺がんで高値となります。
CEA がん胎児性抗原 5.0以下 ng/ml 胃がん、膵臓がん、胆道がん、肺がん、乳がん、大腸がんなどで、高値となります。
AFP αフェトプロテイン 10以下 ng/ml 肝細胞がんなどで、高値となります。
TP 総蛋白     栄養状態を評価するための検査。
Alb アルブミン    
  総ビルルビン     肝疾患の診断、黄疸の鑑別などに使用します。
  直接ビリルビン    
AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ     肝機能の指標です。肝障害の時に高値となります。心筋梗塞でも上昇します。
ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ     肝機能の指標です。肝障害の時に高値となります。
γ-GTP ガンマグルタミントランスペプチダーゼ     肝機能の指標です。アルコール性肝障害などで高値となります。
ALP アルカリ性フォスファターゼ     肝・胆道系疾患、骨疾患などで上がります。
LDH 乳酸脱水素酵素     心臓や肝臓の各種疾患、貧血や炎症などで高値となります。
CHE コリンエステラーゼ     肝疾患で低下します。
LAP ロイシンアミノペプチターゼ     肝・胆道系疾患などで上がります。
CPK クレアチニンキナーゼ     骨格筋や心筋、平滑筋、脳が損傷すると高値となります。
  アミラーゼ     膵疾患や唾液腺疾患で上昇します。
HDLコレステロール     善玉コレステロール。
LDLコレステロール     悪玉コレステロール。
  尿素窒素     腎機能低下、腎不全で高値となります。
  クレアチニン    
  尿酸     髙値で痛風になります。
Na ナトリウム     腎不全などで低値になり、脱水や下痢などで高値となります。
CL クロール    
K カリウム     腎不全で高値となり、下痢や嘔吐で低値になります。
Ca カルシウム     腎臓や副甲状腺の病気で変動します。
IP リン     腎から排泄され、透析でしか抜けないので、腎不全では上昇します。
CRP C反応性蛋白     代表的な炎症マーカーです。感染症や膠原病、外傷などの経過観察に使用します。
HbA1c ヘモグロブリンA1c     糖尿病の診断と経過観察に使用します。過去1~3か月の平均血糖値を反映します。

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